中日本ハイウェイ・パトロール名古屋株式会社

路上作業競技会とは?

わたしたちは交通管理業務を行うプロ集団として、高速道路ネットワークの拡大や自動運転をはじめとする先進技術の高度化など、めまぐるしく変化する道路交通環境に適応していくため、個々の技術を磨きつづけるとともに、つねに「安全」とはなにかを探求し、改革しつづけています。
今年で7回目の開催となる「路上作業競技会」とは、交通管理業務における異常事態処理に必要な「お客さまへの安全配慮」「基本動作の励行」「自らの安全確保」「隊員や関係機関との相互連携」に重点を置いて、隊員の路上作業技術のさらなる向上を目的として行われるものです。
各回、設定されたテーマをもとに、「競いあうことによる路上作業技術の向上」「路上作業技術の改善」「チームワーク・連携の強化」を図りながら、お客さまの安全を確保することをめざし、交通管理基地の隊員が熟考した作業方法を2日間にわたって披露します。

2024年度
路上作業競技会参加基地

テーマ/路上作業の技術向上

  • 故障車処理
    岐阜基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    大型バス
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (左前輪バースト)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    乗員1名・乗客10名あり
  • 事故処理
    福井基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能(前部中破)
    ・道路損傷/
    あり(緊急工事不要)
    路肩側ガードレール1枚・
    同支柱1本
    ・そのほか/
    運転者は聴覚障がい者
  • 故障車処理
    津基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (エンジントラブル)
    ・道路損傷/
    なし
  • 故障車処理
    豊田基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (エンジントラブル)
    ・道路損傷/
    なし
  • 故障車処理
    名古屋基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通貨物
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (エンジントラブル)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    故障車を路肩移動させる際に
    けん引実施
  • 自力走行不能車両対応
    高山基地

    自力走行不能車両対応

    ・関係車両/
    普通貨物
    ・車両状況/
    自力走行不能(スタック)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    天候降雪(中)
    路面白(積雪あり)
  • 故障車処理
    飯田基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (エンジントラブル)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    恵那山トンネル内
    (監査路あり)
  • 故障車処理
    敦賀基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (ミッショントラブル)
    ・道路損傷/
    なし
  • 故障車処理
    富山基地

    故障車処理

    ・関係車両/
    普通貨物
    ・車両状況/
    荷台から積載物(木板10枚)が
    本線に落下
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    当事者は追越車線で
    落下物回収中
  • 事故処理
    金沢基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    (右前輪バースト)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    工事対面通行
    (KYウォールで上下線分離)
  • 桑名基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能(前部中破)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    危険行動車両(突入未遂)あり
  • 事故処理
    多治見基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能
    ・道路損傷/
    あり(緊急工事不要)
    路肩側ガードレール・同支柱
  • 事故処理
    羽島基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通貨物
    ・車両状況/
    自力走行不能(右前部中破)
    ・道路損傷/
    なし
    ・そのほか/
    高速隊先頭固定誘導1台
  • 事故処理
    彦根基地

    事故処理

    ・関係車両/
    普通乗用車
    ・車両状況/
    自力走行不能(左前輪パンク)
    ・道路損傷/
    なし

2024年度
路上作業競技会を終えて

2日間にわたって開催された「2024年度 路上作業競技会」。なぜ今回の作業方法に決めたのか、当日をむかえるまでの訓練について、競技を終えた感想など、競技会後の隊員の声を紹介します。

  • 津基地
    津基地

    主任 Y/管理士 U

    約2か月ほど前に津基地の代表に決まり、テーマに沿った作業方法について基地の全員で話しあい、おたがいの勤務形態のなかで時間をあわせて訓練を重ねてきました。最近、規制した車線に車両が突入してくるという事故が何件か起きており、そのときに避難場所がないという状況は、隊員にとって非常に危険です。実際に、日常業務でもヒヤリとすることもあります。こういった背景もあり、いわゆるスタンダードではありませんが、作業効率が多少落ちたとしても、安全性を第一に考えた今回のような作業方法もあるのではないかということを発信できたと思います。わたしたちにとって大舞台ですので、高いモチベーションで、いまの自分たちにできることは表現できたと思います。

  • 豊田基地
    豊田基地

    主任 H/管理士 U

    今回の作業方法は特別なことというよりも、規制構築や解除など、基本的な動きを徹底しながら、独自の想定をくわえたものになります。自分たちが設置した最後の部分の規制器材がはねられる事故が立て続けに発生したこともあり、基地の全員で考えた独自の対策として、終点看板を設置する方法を披露することにしました。まだ実際の現場で設置したことがないのですが、競技会後に、終点看板への質問が多かったのは、最前線に立っているみなさんの興味を引くことができたのかなと思います。新しい器材の導入ももちろん大切ですが、基本に忠実にやることが自分たちだけでなく、お客さまの安全も守れると思うので、これからも基本に忠実に訓練を続けていきたいと思います。

  • 名古屋基地
    名古屋基地

    主任 H/管理士 S

    今回の路上作業競技会にむけて、約2か月間かけて訓練したきた成果は出せたと思います。少し想定外のこともありましたが、あらゆる場面を想定していたので臨機応変に対応することができたのもよかったです。今回、貨物車両にも対応したけん引ロープを活用した、これまで経験のない作業方法を提案しましたが、教練班長と話しあいながら訓練を重ねるなかで、この高い実用性をほかの基地にも広めていきたいと思うようになりました。隊員が現場での経験をもとに考えた新しい取り組みについて、それが安全・安心につながるのであればトライしてみようという雰囲気が会社や基地全体にあるので、今回の作業方法もスムーズに提案することができました。

  • 敦賀基地
    敦賀基地

    主任 T/管理士 M

    約1か月ほどの訓練を重ねてきましたが、その質を高めるだけでなく、頭の中でのシミュレーションもかなり積んできましたので、思ったとおりの出来だったと思います。今回の作業内容は日々の現場で起こりそうな状況を想定して、お客さまはもちろん、作業員や監視員の安全を第一に考えた作業方法を提案しました。管制センターとの連携についても、新しい方法を取りいれさせていただくことで、より迅速な作業方法を提案できたと考えています。また、お客さま対応については、高速道路上でのトラブルということで不安がられているお客さまが多いので、言葉づかいや表情といったコミュニケーションを密に取り、わたしたちがそばにいることで少しでも安心していただけるように配慮しました。